Flash製のMMORPGがぽこぽこ増えそうなワケ

タイトルは若干釣りかも。あと「何を今更…」な話題だったらごめんなさい。

僕の周りではFlash嫌いな人が多いのですが、僕の妄想では、今から一年間くらいは昔懐かしい2DのMMORPGフルFlash(ここ重要)でいくつか出てくるんじゃないかと思っています。

というのも、Entercrewsのラカトニアというゲームがその一つで、実際にやってみたら普通にMMORPGになってるんですよね。

FlashMMORPGを作るメリットはかなりたくさんありますが、特に重要な一つはプレイまでの障壁が低いことです。
実際にWebでアクセスを取ってみた人ならすぐ納得できると思いますが、ページ一つ挟むだけで離脱率数十%なんてのはザラにあることなのに、従来のMMORPGでは、ユーザーは遊ぶために2GBだの3GBあるクライアントソフトを落とす「労働」をしなきゃいけないんです。
やる気満々で登録したゲームを実際に始められるのが一時間後だったら、他の遊びなんていくらでもある今の時代、ユーザーも冷めてしまうでしょう。

とはいえソーシャルゲームの成功を見るに、いわゆる『ゲーマー』でないプレイヤーの重要性は十分認知されてきましたし、逆にソーシャルゲームで少しだけゲーム慣れした層をPCの美麗なグラフィックで狙い撃ち!という戦略はあながち的外れではないと思います。
上に挙げたラカトニアでも、「システムメッセージをクリックすると、クエストに関するNPCやモンスターのところまで(違うフィールドでも)自動で歩く」というお手軽プレイ機能が実装されていて、エンジニアの睡眠時間が心配になりました。こうした機能は、従来のネトゲの「面倒臭さ×達成感」というバランスを、大きくライトユーザー向けに傾けている一例ですね。

もう一つの大きなメリットは、Flashは実は異様なまでにクロスプラットフォーム技術であるという点に依拠します。
以前に言及したTitaniumは、「JSで二種類のアプリが書ける!すごい!」みたいな感じで話題になり、資金調達も派手にやってましたね。

一方Flashは、WindowsでもMacでもLinuxでも動きますし、AndroidアプリもiPhoneアプリも「ほぼ同じコードで」作れます。ほぼ同じものが作れる訳ではありませんが、画面サイズとスペックへの配慮に基づいて修正すれば、再利用性はとても高いです。フィーチャーフォン端末は…お察し下さい。

MMORPGAndroidiPhoneでそのまま動くとはとても思えませんが、一つの開発チームを多くのプラットフォームの案件に使い回せるのも魅力的ですよね。

で、「そんなにメリット多いならなんで今までやってなかったのよ?」って言われると、速度とかFlash Playerの再現性の問題が、開発技術で解決出来ないレベルで大きかったせいかと思います。
ただそれも解決には向かっているようで、ラカトニアも昔のネトゲくらいの速度は出ていました。「Javaでゲーム作ってるやつはおかしい」みたいなことが言われた時代もありましたし、同じようなものでしょう。技術の進歩ってすごいですね。ただもちろん、Javaの時代とはゲームをする環境の方が変化していると思います。

という訳で、ゲームクリエイターな人達からは色々意見もあると思いますが、ゲーム会社が利益を挙げる上でには、ソーシャルゲームの一形態として、「PCのブラウザ上で動くフルFlashMMORPG」というものはかなり魅力的なんじゃないでしょうか。

ところで僕が考える中で、今最も達成されていない課題はグラフィックリソースの生産性が他と比べてイマイチな所だと思います。
グラフィック能力が今ひとつな(僕みたいな)人種でも、効率的にそこそこのレベルのグラフィックを作れる仕組みって何かないでしょうかね?